隠し扉の謎
誰も入れないはずの部屋から忽然と消えた貴重品。
カンチャナブリーのホテルで起きた不可解な事件とは…
カンチャナブリーのホテルで起きた不可解な事件とは…
隠し扉といえば、一見その奥に何かがあることを想像できない“からくり”が施された扉。それらはかつての城や宮殿など要人が暮らす建物に設けられ、侵入者や暗殺者から隠れたり逃げたりするためのものだったという。
今、タイではそんな隠し扉が見つかったホテルのことが話題になっている。
ある家族がカンチャナブリーのホテルに宿泊するため、チェックインの後に夕食を済ませてすぐに就寝した。翌朝に父親が目を覚ますと、部屋に置いてあったはずの携帯電話や貴金属が全てなくなっていてパニックに。ドアはしっかりとロックしてあったし、その部屋には他に人が出入りできる窓も扉もない。どうしても腑に落ちない父親が隣の部屋の宿泊者に尋ねると、やはり財布がなくなっているという。それを聞いた父親はもう一度部屋をくまなく調べたところ、壁に取り付けられた鏡が、なんと小さな扉になっていた。
調査に来た警察が調べたところ、その鏡を装った扉は部屋の外からしか開けられない構造になっている“隠し扉”であることが判明。ホテル側を問い詰めたところ、これが扉であることを認めはしたが、盗難があったとは認めない。では、何のための隠し扉なのかといえば、秘密の逢瀬をしているカップルが、万一の場合に相手を逃がすために造った扉だと、何か言い訳じみた説明をしている。この後、ホテルは隠し扉を使えないように封鎖したというが、誰が盗難に及んだのかはまだ明確になっていない。
どうやらホテルに泊まったら、面倒でもやはりセーフティボックスを使うのが賢明のようだ。