飲食店の店先で強盗にあったと警官に泣きついた青年。
ところが結末は逮捕されるというお粗末な出来事とは…

御用となった一人芝居

飲食店の店先で強盗にあったと警官に泣きついた青年。
ところが結末は逮捕されるというお粗末な出来事とは…

「一人芝居」と言えば、本来は複数の役者が演じる演劇を、一人の演者ですべての人物や場面を演じ分けるというもの。今タイでは、そんな一人芝居が逮捕につながったお粗末な出来事が注目されている。

バンコクの南西部バンクンティアン区で6月24日の夜、21歳の青年が警官に「携帯電話と4,500Bを盗られた」と通報。青年によると、食堂で友人と一緒に食事をしていると母親から電話があり、外で話すために店を出ると6人組の男達に囲まれ、銃で脅され携帯電話と現金を奪われたという。

警官は事情をより詳しく知るために青年に根掘り葉掘り質問したところ、何やら矛盾点が多く聞けば聞くほど疑問だらけに。そこで警察署まで青年を同行させて尋問さながらに問い詰めると、なんと「全部嘘でした」と自白。母親からの電話、6人組の族、銃で脅迫、電話と現金4,500B、そのすべては自分ででっち上げた一人芝居さながらのシナリオだった。

では、なぜこんな嘘をついたのかといえば、とどのつまり飲食代が足りなかったから。青年は食堂の店主に「ちゃんと戻ってきます」という意味で携帯電話を預け、自分の部屋までお金を取りに行ってくると告げて店を出た。家にお金があったのかどうかは定かではないが、体良くお金を払わずに店を後にできたということになる。とぼとぼ歩いていると出くわしたのが警官で、酒に酔っていたせいもありでまかせの通報をしたという。

しかし、警察署へ同行させられて彼の一人芝居は終演して御用に。虚偽通報の罪で逮捕されてしまった。