1万リットルの徳を積む
建設業を営む社長が自分の誕生日にタンブン。
その度肝を抜くようなすごい内容とは…
その度肝を抜くようなすごい内容とは…
タンブンとは「徳を積む」ことを意味するタイ語。寺院でお賽銭を寄進したり、孤児院へ寄付したり、囚われの身にある動物を自然へ返したりとその形式はじつに様々。新年のお祝いや引越しなどの“節目”には欠かせない行事で、年に一度の誕生日にもタンブンをすることが多い。
今、そんなタンブンにまつわる出来事が話題となっている。東部チョンブリー県で建設業を営むキティパン氏は、自分の48歳となる誕生日を迎えた。そのお祝いのタンブンが度肝を抜く内容で、自らのお金で地元のレスキュー隊の車すべてに満タン給油してしまったという。車は100台以上に及び、給油したディーゼルB7は約1万ℓで総額36万Bにもなった。
キティパン氏は「最初は誕生日の宴会を開こうと思いました。でも、宴会でいっときの幸せを楽しむよりも、人命救助に力を注いでいるレスキュー隊のためにお金を使った方が社会貢献になると考え直したんです」と語っている。燃料代が高騰している今だからこそ、彼はレスキュー隊の負担を少しでも軽くできることを選んだのだ。
ちなみにこのレスキュー隊は政府機関ではなく民間のボランティア団体。社員でもなければ、報酬をもらっていない人も多い。支援者からの寄付はあるものの燃料代も自分持ちとなる。だから、レスキュー隊での活動そのものもタンブンだと言えるのだろう。
レスキュー隊員の一人によると、自分が1回に給油できる金額はせいぜい500Bほど。それだと2件の事故現場へ急行できるかどうかだという。
1万リットルの徳が積まれたことで、より多くの人命が救われることになるだろう。