飲酒運転で道路沿いの溝に車ごと落ちた一人の男。
泣きながら執拗に訴え続けたその妄想とは…

飲酒運転といえばタイが抱える社会問題の一つ。交通事故の最たる原因とも言われているが、近年では刑罰の厳格化や検問取り締まりの強化など、様々な対策が行われている。

タイの交通事故情報センターによる2022年に起きたタイ国内の交通事故報告件数は前年比4.8%増の93万9786件、死者は8%増の1万4741人、負傷者は4.7%増の92万4868人。このうち外国人の死者は536人、ケガ人は7885人だった。

飲酒運転が原因の事故がどの程度の割合なのかは公開されていないようだが相当数に及ぶだろう。そんな飲酒運転が絡んだ事故が最近話題になっている。

東部チャンタブリー件の公道317号線で11月29日の夜、飲酒運転の男が道路沿いの溝へ車ごと突っ込むという事故が発生。現場へ急行したレスキュー隊が見たところ、男は泥酔状態。朦朧とはしているが命に別状はなかった。ところがこの男が妙なことを言う。

「車の中に女友達が2人います。彼女たちを助けてください」と、男は泣きながら隊員に懇願した。

だが車内には女性どころか人がいた痕跡はなく、隊員は念のために周辺の藪や溝の中も捜索。やはりどこにも人はおらず、それを男に伝えると「いるはずです、助けてください!」と譲らない。押し問答から隊員と暴力沙汰になりそうになったところで、警察が現れて男は病院へ搬送されたという。後の取り調べで、事故を起こした際に同乗者はいなかったとのこと。

やはり泥酔した男の“妄想”だったのだ。

飲酒運転は自らはもちろん、同乗者をも危険にさらす。これから年末年始の通称「危険な7日間」がやってくる。泥酔男の登場は勘弁願いたい。

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