1994年に米国で製作されたコメディ映画「裸の銃を持つ男」。封切られてすぐに映画館で観たのだが、終始お腹を抱えて大笑いした憶えがある。この映画のタイトルを彷彿とさせる出来事が、最近タイで話題となった。
所は東北部ブリーラムの街中。1月30日午後5時半頃、街の防犯カメラが奇妙な光景を捉えた。それは一人の男の何か尋常ではない様子。なぜなら片手に銃を持ち、身にまとっているのは下着1枚のみという姿。誰がどう見ても不審者にしか見えない。この男はそんな格好で雑貨屋に入り、店の女性にこう懇願した。
「店の前に停めてあるバイクをどうか貸してもらえないか?どうしても警察へ行きたいんだ」。
女性は「これは何か大変な事態かも。確かに怪しいけど、本当に不審者なら警察へ行きたいなんて言わないだろうし」と直感して、“裸で銃を持つ男”にバイクを貸したのだ。そして男は警察署でその有様になってしまった終始を話すことに。
その男の正体はなんと副市長。彼が仕事を終えて部屋で着替えている際に、銃を持った部下が侵入してきて殺害されかけたという。しかし副市長は隙を見て、アクション映画さながらに銃を奪って部屋から脱出したのだ。ただ、着替えの途中だったので下着の上にタオルを巻いただけの出で立ち。そのタオルも走っているうちに落ちてしまい、雑貨屋へ着いた時には“パンツ一丁”だったというわけだ。
どうやら疾病休暇の届け出をめぐる誤解から部下を犯行に走らせてしまったようだが、もし撃たれていたら下着一枚…笑うに笑えない出来事になっていたところだ。