タイ人が履いてるのはもちろん、外国人の間でもタイ土産としてド定番の「タイパンツ」。シンボリックで可愛らしい象柄で知られているが、タイ政府が推し進める“ソフトパワー”構想のアイテムにもなって、今にわかに人気が上昇中だ。
ところが市場などで売られている安価なタイパンツのほとんどが、実は中国製。このことに着目したネット民を中心に「タイを象徴するものが中国製って、いったいどうなのよ?」と厳しい批判も。それに対してセター首相は「確かに生産効率や価格で中国製と競うのは難しい。著作権に関しては知的財産局も交えて調査中だ」と談話している。
一方で、チェンマイで営業している「象柄タイパンツの本家」チンラダーガーメント社のCEOは、さぞご立腹だろうなと思いきやそうでもない様子。「数年前から中国製の模造品が出回っているが別に問題ない。品質が異なるから客層が全く異なる。むしろ今回の騒ぎで“本物が存在する!”ということが知られて宣伝となり、国内はもとより海外からの注文も増えている」とのこと。
また、“本物は”良質のレーヨン生地を使用し、着心地が良くて丈夫でデザインも洗練されている。模造品は象柄が逆さまだったり、とにかく縫製が雑なのだという。
そんな一連の騒動で、“ご当地タイパンツ”が各地で流行ってきているのも事実。コラートの猫柄、チャンタブリーのドリアン柄、サムットサコーンの魚柄、ピッスヌルークの軍鶏柄と百花繚乱。
こうなってくると、すべてコレクションするのもタイでの楽しみになるかもしれない。