長く続いた軍事政権が終わり、徴兵制度の改革が求められている現在のタイ。最近では国防省も「量より質」に方針を変え、タイ名物でもある「くじ引き」で入隊者を決める制度も廃止となる動きを見せている。そんな流れの中、海・空軍の士官学校で訓練生を募集するポスターが話題となった。
海軍士官学校の募集ポスターは一目で兵士だとわかるビジュアルだが、背景がなんとも凄い。砲撃による爆発と戦車に揚陸艦と、まるでマイケル・ベイ監督の新作映画ポスターと見間違うような世界。ハードボイルドな路線を狙ったのだろうが、少しやりすぎの感を否めない。そして空軍士官学校はといえば、今やタイが世界に誇るBLドラマの宣伝ポスターさながらの世界観。2人の候補生が見つめ合ったり背中を合わせたりと、どうしたってその界隈を彷彿とさせてしまうイメージで、かなりの話題を集めているという。
いずれにしても、どちらのポスターも絶妙な「コラ画像」感がネット民から大ウケで、軍に興味がない人たちの注目も集めている。とくに空軍のバージョンに対しては「けしからん!」という人もいるようだが、大方の反応は良く、制作者の“狙い”は見事に世間の気をひくことに成功した。ご意見番の人気俳優なども公式Facebookの投稿に「カルト映画風で好きかも」、「制作者はネット民をよくわかっている」、「募集期間は書いてあるけど上映時間は?」などとコメント。
今回のポスターで候補生が集まるのかは定かでないが、軍のお堅いイメージを打破するのには一役買ったようだ。