21歳のタイ人男性に義務化されている徴兵検査。
その会場で行われる“くじ引き”の一喜一憂とは…

毎年、4月になると行われる徴兵検査。“暑季のタイの風物詩” などと揶揄されることもあるが、高校・大学時代に軍事学生訓練を受けていないタイ国籍を持つ男性は、21歳になる年の4月に受験する義務がある。

徴兵検査の対象者は、まず身体検査を受験して身体と精神に問題がないかを確認。この段階でよく話題となるのがいわゆるニューハーフの人。受験した“美女”たちが不合格となり、晴れて徴兵を免れている映像がTVニュースでもよく取り上げられている。

この身体検査に合格すると待っているのが「くじ引き」だ。クジには黒と赤のカードがあり、黒を引けば兵役免除。赤を引くと兵役が決定。赤を引いてしまった若者が受ける大きなショックは想像に難くない。その場で泣き崩れる人、失神して係員に抱きかかえられる人と、人生の岐路がくじ引きで決まってしまうのだからたまったもんじゃない。

一方で黒いくじを引いた人はどうかといえば、多くの人が「願掛け」をする。タイの願掛けは神や仏に願うだけではなく、願いが叶えば「何かをして感謝する」のが常。今年、黒いくじを引き話題となった男性の願掛けは、裸足で走って家まで帰る!というもの。その男性はバイクに乗る友人に囲まれながら、40℃の炎天下を7kmも裸足で走る苦行に挑戦したわけだ。

ところで、国防省が徴兵の人数を減らし、将来的には志願兵のみにしていくという方針を打ち出しているという。そうなるといつかは徴兵検査もなくなるわけだが、その日までは「くじ引きの一喜一憂」は続くのだろう。

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