たびたび問題になっているタイの水道インフラ事情。水を送るための水道管やコンドミニアム等に設置されている貯水槽の老朽化により、サビなどの不純物や雑菌が混入してしまうため、タイの水道水は飲むことができない。
そんなタイの水にまつわるトラブルがSNSを中心に話題となっている。
場所はバンコク都チャトチャック区ラップラオ周辺にある某高級コンドミニアム。ある1人の住人が目の充血や炎症の症状を訴え、病院で検査したところ「アカントアメーバ」による感染症であることが判明。さらに住人は、住居の水質をシリラート病院の研究機関で調べたところ、アカントアメーバをはじめ寄生虫が混入していることが分かった。
コンドの管理会社に苦情を入れたが「飲み水で顔を洗ってください」「水を濾過する機械を購入してください」などと無責任な回答が返ってきたという。これに不満を持った住人がSNSに投稿したことで一気に拡散され、あっという間に世間に知れ渡る事態に。
後日、バンコク都庁保健事務所が調査を行った結果、100人以上の住人が感染被害を受けていることが発覚。同所の調査では、水道水の残留塩素濃度が基準値より低く、検査した貯水タンクのうち3つのタンクに塩素消毒の措置がされていなかったことが分かった。
住人によると、一部屋1,000万B以上の高級コンドでありながら、オープン当初から「水が汚い」という声が上がっていたが、改善がみられることはなかったそうだ。
高級住宅だからといって、安心や安全をお金で買えるとは限らない、という教訓を得るには十分な出来事だったに違いない。