タイには「10回の空き巣よりも1回の火事の方がおおごと」という諺がある。
よくある空き巣よりも火事に用心せよ!というような意味になるのだが、最近起きた空き巣事件を見る限り実際はそうとも限らない。
とある男性がナコーンパトムに約300㎡の土地を別荘用に購入。
住居棟をはじめ、そこで自給自足をするための様々な施設を建てて悠々自適な暮らしを楽しんでいた。
“ある出来事”が降りかかったのは8月下旬。
7月22日に別荘を離れ、8月21日に戻ってみると大切な別荘が大変なことに気づく。
その土地からなんと建物が盗まれてしまったのだ。
家畜小屋と駐車用のガレージなど3棟の建屋そのものが見事に姿を消しており、住居棟にあった家電製品などもなくなっていた。
男性は「そこにあるはずの建物がないから自分の土地の場所を間違えたのかと思った。
何度も確認してそこに間違いなかったので、自分の正気を疑ったほど」と話す。
「しかしまあ、ここまでやる空き巣には賞賛を送りたいよ」とも自嘲気味に語ったという。
住居棟の建屋こそ盗まれなかったものの、敷地内に及んだ被害は全部で50万B以上と推定されている。
近隣住民によると、複数人の男が約2日間をかけて建屋の取り壊しをしていたのを見たが、男性に雇われた業者だろうと不審には思わなかったとのこと。
「別荘に監視カメラの設置は必須。そして防犯の意味でも近隣住民との交流も大切。自分を反面教師にしてほしい」とは男性の弁。
現在、警察が公共監視カメラの映像を手掛かりにして犯人の特定を急いでいる。