バンコク隣県の某病院で起きた新生児取り違え事件
本当の我が子を取り戻すためにDNA鑑定まで発展し…

©警察ラジオ

ドラマや映画の題材とされることもある「新生児の取り違え」。そんなドラマさながらの事件がタイでも起きてしまった。

場所はサムットサーコーン県の某病院。8月11日に生まれた赤ん坊(娘)の父親は、毎日の日課で新生児室を訪れては娘の写真を撮影していたという。ある日、いつも通り娘の部屋に行ってみると、特徴的だった眉毛がなくなり、娘の顔が変わっていることに気付く。

不安に思った父親は病院に確認するも「新生児の顔は日々変わるもの」とし、納得できる答えをもらうことができなかったため、娘の退院後、自腹でDNA鑑定を行うことに。鑑定の結果、両親とその娘は血縁関係がないと判明し、両親は病院側へこの事実を突きつけたのだった。

これを受け病院側は新生児を取り違えたことを素直に認め、釈明会見を開いたのだった。会見では「同日に生まれた新生児がもう1人いて、取り違えてしまった。2人の赤ん坊は感染症にかかっており治療していたが、治療の過程でリストバンドを交換した際、間違えてしまった。意図的なすり替えではない」と釈明した。

その後、取り違えられた2人の新生児は、それぞれの家族のもとに無事に戻ったとのこと。病院側は取り違え被害に遭った両家族に対し、新生児の治療費を無料にし、両家族に10万Bの慰謝料を支払ったという。また、再発防止として新生児室に監視カメラを設置、新生児の識別プロトコルの見直しなどの対策が講じられることになった。

タイには「マイペンライ(大丈夫)」という言葉があるが、さすがにマイペンライだけでは済まされなかったようだ。

 

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