学校行事の定番「遠足」。親しい友人や先生たちと過ごす楽しい遠足の道中で痛ましい事故が起こり、タイ国内に大きな衝撃が広がっている。
10月1日、パトゥムターニー県で生徒や教員ら45人が乗ったバスが全焼する火災が発生し、このうち23人(生徒20人、教員3人)が死亡した。目撃者は「バスのタイヤがパンクし、制御を失い防護壁に衝突して爆発が起きた」と話しているが、警察などの調査が進み、事故の原因が徐々に明らかになってきたのだ。
炎上したバスは最初の車両登録が1970年と極めて古く、さらに当初はディーゼル車だったがのちに天然ガス車に改造されていたという。また、陸運局に登録する際、バスに使用していた11本のガスボンベのうち6本しか登録されておらず、違法に設置されたガスボンベが原因で爆発につながったとみられている。
一方、火災直後に現場から逃走したバスの運転手は逮捕され、無謀運転や乗客の救護を怠った容疑で訴追された。運転手は「助けようとしたが、非常口が開かなかった」などと供述しているが、この非常口に関しても点検に不備があったのではないかとされ、調査が進められている。
この事態を重く受け止めた政府はバス業界に対して規制強化の方針を示し、天然ガスを使用したバスの廃止も視野に入れているという。
タイでは危険な車両や悪質な運転により命を落とす人が後を絶たない。このような悲しい事故が二度と起きることのないよう、国民一人ひとりの意識改革が必要であると痛感した。