タイでも近年被害が急増している「投資詐欺」。高額な報酬を約束したにも関わらず、実際には何の報酬も受け取れず、投資家から金銭を騙し取るという行為だ。
タイでは、この投資詐欺による一大事件が世間を騒がせている。
その渦中にいるのが、健康・美容食品をオンライン販売する「The iCon Group(ジ・アイコングループ)社」。タイの人気俳優やMCらを宣伝に起用し、個人事業主らに投資を呼び込み、高額な報酬を約束するいわゆる「ネズミ講」を行っていたということが発覚したのだ。
同社は数年前からオンラインビジネスを展開していたが、競争相手が多い世界のため商品を上手く売ることができず、次第にマルチ商法のような手段に手を染めていったのではないかといわれている。
さらに問題となっているのが同社の広告塔として複数の有名人を起用している点だ。タイの国民的MCカン=カンタターウォン氏や女優のミン=ピチャヤー氏らは同社のアンバサダーに任命されており、詐欺に関わっているのではないかと疑惑の目を向けられている。
またこの投資詐欺の発覚後、全国各地から被害を訴える声が続出。現時点で少なくとも800人以上が警察に被害届けを出しており、被害総額は推定で3億B以上。警察も本格的な捜査に乗り出しており、「被害者は1000人以上いる。政治家も裏から手を回している可能性がある」とし、今後も被害は拡大していくとみられている。
様々な特殊詐欺が横行している昨今。“おいしい儲け話”には用心したい。