「干し草の山の中から針を探す」という言葉がある。見つかる見込みのない探しものをするという意味で、非常に困難なことであることが容易に想像つくだろう。
ところがつい先日、この言葉を体現化するまさに奇跡のような出来事が起こったのだ。
それは10月21日のこと。
東部ナコーンパノム県に住む女性は、手を洗う時に結婚指輪を外してティッシュに包んだという。その後、洗った手をまた別のティッシュで拭いたのだが、指輪を包んでいたティッシュもろともゴミ箱に捨ててしまったのだ。翌日気付いたときにはゴミは業者に回収されており、もはや後の祭り。
指輪は40万B(約180万円)と高額な金額に加え、何より思い出の結婚指輪であることから女性は諦めることができず、かすかな望みをかけて行政機関に連絡。回収されたゴミは近くのゴミ山に集積されるといい、その広さはなんと7ライ(約1万㎡)。
膨大なゴミの量とあまりの広さのため、女性は家族や近隣住民に声を掛け、指輪の捜索を開始。だが、そう簡単に見つかるはずもなく、丸2日が経過し、諦めかけていたその時、手にしたゴミの中から指輪が出てきたのだった。
この奇跡のような出来事に女性は「正直諦めていた。大切な指輪を取り戻すことができて嬉しい。助けてくれたすべての人に感謝します」と話し、その後自身のSNSに無事に見つかったことを報告した。
時には「諦めが肝心だ」と言うが、諦めずに信じて行動することも捨てたもんじゃないのかもしれない。