タイは動物愛護の精神を持つ人が多く、殺生をしない仏教の教えに基づき、殺処分することが少ない。そんな中、あるドラマのシーンが国民の怒りに触れ物議を醸している。
そのドラマというのが現在Netflixで配信中の大河ドラマ「The Empress of Ayodhaya(タイ題:メーユア)」。アユタヤ王朝時代を舞台に、タイ(サイアム)国王の側室の人生を描いた歴史大作だが、劇中に登場する猫のシーンが「動物虐待にあたるのではないか」との疑惑が噴出。
問題のシーンというのが第5話で登場する黒猫に水の毒味をさせるシーン。猫が嘔吐し、痙攣して死んでいく様子に「本物の猫を使ったのか?」と視聴者からの非難が相次いだ。
この事態にドラマの出演者のひとりが「本物の猫に睡眠薬を飲ませて撮影した」と声明を出したことで、監督をはじめドラマ関係者に対して批判が殺到。
本作の監督であるサン監督も睡眠薬の使用を認めており、「撮影は専門家の指導のもと安全に行われた」と説明したが状況は悪化する一方。「治療行為以外で睡眠薬を服用させるのは虐待にあたる」として、大規模な不視聴運動が起こり、愛猫家や動物愛護団体、さらには畜産局まで調査に乗り出す事態に。
動物愛護団体「PETA」はドラマ関係者に対して「今後は一切動物と関わらない方がいい」と苦言を呈している。また、出演者の所属事務所も「今回の件にタレントは関係ありません」とし、トカゲの尻尾切り状態だ。
幸い、一番の被害者である猫に異常はなかったようだが、本当のところ猫以外、知る由もない。