タイで警察官になるには警察官採用試験に合格する必要があり、また外国人がタイで警察官になることはほぼ不可能。
そんな中、「外国人も警察ボランティアになれる」という講義が中国のSNSを中心に拡散され、様々な反響を呼んでいる。
この講義は中国人を対象に2024年12月25〜27日にタイ国内の某私立大学で行われたといい、受講料は1人3万8,000B。修了後には修了証書や警察手帳にユニフォーム(本物かは不明)などが授与されたといい、「タイで警察活動ができる」という謳い文句で、受講者は27人にも及んだという。講義で使われた資料にはタイ警察中央捜査部(CBI)のロゴマークも載っており、正式な講座のようにもみえた。
これを受けCBIは「講座は承認していない」と声明を出したが、講師として本物の警察が派遣されていたことが判明。講師として参加した警察官によると、「留学生に対する警察の啓蒙活動」の一環だと認識していたとし、修了証書は渡したが、警察手帳が授与されていたことは知らなかったと話している。
一方、大学側の調査では、大学に在籍している中国人教授が扱っている講義であると判明したが、講義の概要は大学側へ通知されておらず、大学で行うための申請もされていなかったとされ、寝耳に水状態だったという。大学は今回の講義との関係性を否定するとともに、同教授に懲戒処分を下した。
当局は警察組織内の者に通じる第三者が講座を悪用し、受講料を騙し取る詐欺事件として捜査を進めている。
相次ぐ警察による不祥事。警察としてのあるべき姿をもう一度見つめ直してほしい。