銀行アプリ、QR支払い、SNSなどタイで生活するうえで欠かすことのできないスマホ。米アップル社のiPhoneなど様々なメーカーからスマホが販売されているが、ある中国製のスマホから不正アプリが無断でインストールされていたとして大事件に発展している。
問題となっているのがコスパの良さで人気の中国のスマホブランド「OPPO(オッポ)」と「realme(リアルミー)」。この2つのスマホには不正ローンアプリ「Fineasy」がユーザーの同意なくインストールされていることが判明。タイの金融機関を介さず融資が受けられると勧誘し、電話番号や個人情報などにアクセスできる可能性があったという。
また、このアプリの存在は消費者が報告して発覚したというが、同アプリはスマホの出荷時からインストールされており、ユーザー側では削除することができない状態であることも判明。実際、ローンサービスを利用した人は、「アプリ経由で外部のローン企業とつながり、法規制以上の金利を求められたほか、返済が遅れた際には家族や友人にまで取り立ての電話があった」といい、これが事実なら大手通信会社と闇金が裏でつながっているということになる。
衝撃の展開にタイ消費者協議会(TCC)が両ブランドを告発する事態に。両社は謝罪文と今後の対応に関する声明文を発表したが、肝心のアプリがインストールされていた理由や、法規制以上の金利や行き過ぎた借金の取り立てなどに関する発言はなく、根本的な解決には至っていないという。
アプリを使った巧妙な罠。スマホに対する信頼を取り戻すには相当な時間がかかりそうだ。