便利な機能の反面、様々な危険やトラブルが伴う位置情報アプリ。本来ならば家族や友人、恋人など誰かの位置を共有するためのものだが、タイではある“探しもの”を見つけるため利用されていることから問題化している。
インドネシア発の「Jagat」は、タイをはじめ各国で利用できる位置情報アプリ。1月初旬頃には、バンコク、チェンマイ、チェンライ、プーケット、チョンブリー県(パタヤ)の5地域限定で「Jagat Coin Hunt」という新しい機能のサービスが開始。
アプリと連動して本物のコインを探すことができることから、タイの学生や若者を中心に大流行しているという。さらに実物のコインは仮想通貨に交換できるといい、コインの稀少度によっては500B〜20万Bの価値があるとされ、流行に拍車をかけている。
しかし、こんなおいしい話にはトラブルがつきもの。宝(コイン)は私有地や公共の場所に隠されており、コインを探そうと熱中するあまりフェンスをこえて他人の家に不法侵入したり、公共物を壊したりとやりたい放題。
また、「Jagat」を運営する会社はタイに法人をもっていないことが判明。無許可での位置情報の共有が個人情報保護法違反となる他、コインの隠し場所のヒントを得るために課金を要求されるなど、Jagat自体に違法性があるのではないかとの声も上がっている。
警察は「このような行為は法的な問題を引き起こし、最悪の場合は犯罪になりうる」と注意を呼びかけているという。いくらアプリ上のゲームとはいえ、犯罪になることくらいは自分で理解してもらいたいものだ。