安藤功一郎さん。タイに住む日本人であれば一度はその名前を聞いたり、見たことがあるのではないだろうか。
在タイ歴15年の安藤さんは神奈川県出身。
子どもの頃の夢はサッカー選手だったといい、プロサッカー選手を目指し日々練習に打ち込んでいたが、高校生の頃に自分の実力に挫折する。
しばらくはサッカー以外に興味を持てなかったが、アルバイトをきっかけにビジネスやお金を稼ぐということに目覚め、いつしか“起業”への思いが強くなっていったという。
大学3年の秋にはガリバー(現IDOM)への内定が決まり、そこでの経験が今の安藤さんの土台になっていると話す。
持ち前のガッツと最後までとことん突き詰めるという性格が幸いし、入社後もぐんぐん成績を伸ばしていき、当時24歳(入社2年目)という若さで東証一部上場企業の「最年少営業部長」に抜擢された。
トントン拍子で出世街道を歩んできた安藤さんだったが、2005年10月ガリバーを退社する。
たいていの人はこれだけ成功していれば手放すのが惜しくなるものだが、安藤さんの場合はそうではなかった。
「自分の本当の実力を試すために、日本以外の国で起業することを決めていたんです」と。
東南アジア、中東、ヨーロッパなど40カ国以上を訪れた結果、起業するなら「タイしかない!」という決断に至ったのだという。
その後、単身でタイへ渡り、ゼロから起業を開始。
携帯販売事業、旅行会社など7社を起業し、連続起業家として名を広める。
2016年には不動産業へ進出し、現在の「RENOSY Thailand」の前身である「ディアライフ」を設立。
以来、名実ともにバンコクの仲介シェアナンバーワンの不動産会社として現在も拡大中だ。
そんな安藤さんが新たに注力している事業というのが、タイで暮らす駐在員などがタイに居ながらにして日本の不動産を購入し、投資物件として運用することで資産形成をするサービス。
従来は日本非居住者の駐在員は日本の住宅ローンを組むことができなかったが、一定の条件を満たせば駐在員でも同社が取り扱う日本国内の物件を購入できる。
同社では、購入から管理、客付、売却までワンストップサービスを提供しているので、海外駐在員でも「ほったらかし」で賃料収入を得られる仕組みだという。
安藤さんはこう語る。
「不動産は、本当にとてもいい投資なんです。不動産はインフレに強くて、ローリスク・ローリターンな投資。手元に資金がなくても条件を満たしていれば不動産は購入できますし、ほとんどの方が日本にいる時よりも年収が増えているはずなので、より大きなレバレッジをかけることが可能です」。
最後に安藤さんに「今後の展望」を聞いてみると、「僕自身、投資は人々の生活を豊かにすると思っています。不動産投資が当たり前の世の中になってくれれば嬉しいですね」と話してくれた。
業界初の新サービスが、タイ在住者の資産運用に新たな道を切り拓いてくれるだろう。