アルファ ツール アジア
工作機械・産業機械及び周辺機器・部品・工具の販売。FA関連部品などの立案・設計
測定(検査)作業のFA化を実現
“経験と知恵”が既成概念を覆す
「モノづくり現場のコスト削減、効率化など、いわゆる無駄をなくすことが至上命題ですから」。タイで約20年。工具、部品、測定器、工作機械(専用機)など、あらゆる生産材を取り扱うアルファツール・アジアの渡辺守ダイレクターが、一貫して取り組んできた姿勢だ。昨年、想いを具現化させた製品が完成した。生産現場では、工程や完成などあらゆる段階で測定・品質検査が行われるが、測った数値の確認や記入・入力、そして、不良品の見極めの多くは人の手による。「人的ミス(ヒューマンエラー)削減は、製造業にとって最大の課題のひとつです」。同社が市販化に成功した「daTAB」は、測定データが自動的(無線)にタブレット端末内に送信され、エクセルデータとして保存・登録されるアプリケーションだ。メーカーを問わずデジタル信号(デジマチック出力、RS-232C出力)出力ができる機器すべてに対応。これにより作業者の負担は軽減し、人的ミスも防ぎ、何より不良品を出さずに済めば、納品先の信頼度も高まる。革命的な同製品の販売は、順調だという。
ところが、同氏の頭にはすでにdaTABを使った新たなFAが描かれていた。「測定の合否判定は自動化されますが、検査工程は人の手が必要です。人的ミスを無くすには、人を介さずにしなければなりません」。
ただ、測定器をメカシリンダでつなぎ、自動化を図るにしても、制御にはPLC(制御基盤)が必要で、それなりのコスト(設備投資)がかかる。しかし、同氏は「PLCの代替にタブレット端末を使えば、抑えられます」と一蹴。ラインで流れてきた部品は、測定・検査後にdaTABが合否を判定する仕組みだ。大げさな装置を必要とせず、真の測定・検査の無人化が実現する。同氏の頭に、既成概念という4文字はない。
- ①「daTAB」なら、ワンタッチで製品が基準を満たしているどうかを判断。アプリケーションからインストール済みのタブレット端末まで、全て込みで2万5,000バーツ(マイクロメーターとスタンドは除く)。2017年、測定(検査)作業を激変させたdaTABを使った真のFA化が実現する
- ②「大掛かりなFAも重要ですが、最初から自動化を諦めている軽作業でもチャンスはあります。現場の無駄を省くことは、経営者、納品先、作業者の全員が望むことです。それを実現することが、私の至上命題です」(渡辺氏)
※この情報は2017年2月現在の取材を元にしています