【亜州ビジネス編集部】
フィリピン中央銀行は1日、金融政策決定会合の結果、政策金利である翌日物借入金利(REP)を2.25%に維持すると発表した。据え置きは2会合連続。
景気低迷を受け、今年は4度の利下げで政策金利を1.75ポイント引き下げており、景気回復に向けて適切な金利水準にあると判断した。
CNNフィリピンによれば、ジョクノ総裁は会見で、現在の金利水準は過去最低レベルにある一方で、原油安とペソ高でインフレを抑制できており、適切なレベルにあるとコメントした。インフレについては、向こう2年は政府目標である2〜4%に収まるとの見方で、2020年は2.3%、21年は2.8%、22年は3.0%を予想している。
同総裁は一方で、国内総生産(GDP)が20年第1四半期に0.7%、第2四半期に16.5%それぞれ縮小し、明らかに景気後退(リセッション)局面にあると指摘。この数週間は世界的に経済活動が安定し、国内でも状況が改善したが、一部の国々では新型コロナ感染が再び拡大するなど予断を許さない状況が続いているとした。こうした中、中銀は状況を慎重に見極め、必要な措置を打つとコメント。追加利下げや市中銀行の預金準備率引き下げなどさらなる手立てを打つ余地はあるとしている。