【中国】中国のビリオネア415人に、前年比21人増加

【亜州ビジネス編集部】

金融大手UBSと会計事務所大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が7日、共同で発表したリポートによると、今年7月時点で世界のビリオネアは2189人となり、その資産は10兆2000億米ドルに達したという。

資産の規模は、これまでのピークだった2017年末の8兆9000億米ドルを上回っている。うち中国本土のビリオネアは415人で、前年から21人増加。最も伸びの大きい地域となった。これら415人の資産は計1兆7000億米ドルに上っている。香港メディアが9日伝えた。

中国本土のビリオネアのうち、上位に入ったのはいずれも香港上場企業の創業者。1位から順に、騰訊HD(テンセント・ホールディングス)の馬化騰氏、農夫山泉(ノンフー・スプリング)の鍾センセン氏、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング)の馬雲氏が並んだ。保有する自社株の株価上昇が資産の規模を押し上げた格好だ。

うち馬化騰氏と馬雲氏は長者番付トップの常連だが、鍾センセン氏については今年9月の農夫山泉の新規上場で一気に大富豪となった。ミネラルウォーター中国最大手の農夫山泉は9月8日、香港メインボードに新規上場し、公募比53.95%高の33.10香港ドルで初日の取引を終了。保有株式の含み益が拡大する中、鍾氏の保有資産も大きく膨らんだ。

コロナ禍の中にあっても、世界の富豪は株価の上昇などを背景に資産を増やしている。一方で世界銀行は7日、今年は約20年ぶりに「極度の貧困層」が増加するとのリポートを発表。コロナ禍によって、貧富の差がさらに拡大している。


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