【亜州ビジネス編集部】
ベトナムの1人当たり国内総生産(GDP)がフィリピンを2020年に追い抜く見込みであると、国際通貨基金(IMF)が発表した。フィリピン・スターが14日付で伝えた。
IMFは、20年の1人当たりGDPがベトナムは3697.1米ドルとなり、フィリピンの3372.5米ドルを上回ると予想している。
新型コロナウイルス流行の抑え込み度合いが経済に大きく影響するとの見方で、抑え込みに成功したベトナムの20年のGDP成長率はプラス1.6%を予想。一方、フィリピンはマイナス8.3%に大きく落ち込むとみている。
フィリピンの商業銀行ユニオンバンクのチーフエコノミストであるルーベン・カルロ氏は、「ベトナム経済は新型コロナ流行以前もフィリピンより勢いよく成長していたが、新型コロナ抑え込みに成功したことで、フィリピンを追い抜く時期が早まった」とコメント。別のエコノミストは、「フィリピンは外資規制の緩和ペースが遅く、一方のベトナムは積極的に外資を受け入れたことで、農業から製造、輸出に至るまで生産性で差が出ている」と述べた。
IMFの経済見通しに基づくと、ベトナムの2025年の1人当たりGDPは5211.9米ドルとなり、フィリピンの4805.8米ドルを400米ドル以上も上回ることになる。