【亜州ビジネス編集部】
中国科学技術部・社会発展科技司の田保国副司長は、国内企業による新型コロナウイルスワクチンの開発状況を報告し、第3相試験(フェーズ3)段階にあるワクチンが4種となったことを、20日の記者会見で明らかにした。
これら4種の臨床試験は順調に進んでおり、現在までに約6万人が接種を受けたという。重大な副作用は報告されていないと説明した。複数メディアが21日伝えた。
田副司長は国務院聯防聯控機制(新型コロナウイルス対策のために設置された行政機関協調プラットフォーム)が開いた記者会見でワクチン開発状況を報告。中国企業が開発を進めるコロナワクチン13種がすでに臨床試験段階に入ったことを明らかにした。うちフェーズ3段階にあるのは、不活化ワクチンとウイルスベクターワクチンだ。
また、国家衛生健康委員会・科技発展センターの鄭忠偉主任は同会見で、中国のワクチン生産能力が年末までに6億1000万剤に達する見込みと説明。来年にはさらに拡大できる見通しで、中国だけでなく、他国の需要も満たすことができるという。
なお、フェーズ3入りした中国のコロナワクチン4種は、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)、中国医薬集団(国薬集団:シノファーム)傘下の中国生物技術、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)の3社が研究開発を進めているもの。医療関係者や外交官など、感染リスクの高い人を対象とした緊急使用プログラムの一環として試験投与が行われている。