【亜州ビジネス編集部】
中国発コンテナの海上運賃が高騰。積載容量が限られるなか、北米向けの運賃は年初と比べて3倍以上に跳ね上がっている。
過度な悲観が後退したことで、外需を取り込んだ中国は海外輸出実績を積み上げている。毎日経済新聞が22日付で伝えた。
第4四半期の輸出ピーク期を迎えたことで、海運需要は拡大している。10月9日時点の国際コンテナ海上運賃は、1TEU当たりで上海〜米国西海岸が3848米ドル(約40万2200円)、上海〜米国東海岸が4622米ドルに達した。
今年3月は上海〜米国西海岸が1361米ドルで輸送できた点を踏まえれば、7カ月で3.4倍の高騰を記録した計算となる。上海〜米国西海岸は2009年以来、11年ぶりの最高を更新した。
上海航運交易所が公表する中国輸出コンテナ貨物総合運賃指数も上げが目立つ。今年5月以降は、右肩上がりのトレンドが続いてきた。10月9日の運賃指数は1438.22ポイントに達し、12年9月以来、約8年ぶりの最高を切り上げている。
この背景には、中国の輸出拡大がある。税関の統計によると、今年4〜9月にかけて、中国は6カ月連続で輸出が増大した。今年1〜9月の海外輸出は、前年同期比で1.8%増えた。うち9月に関しては、8.7%増の1兆6619億7000万人民元(約26兆1500億円)に膨らんでいる。また、9月の米ドル建て輸出額は、前月比1.9%増の2397億6000万米ドルに伸びた。
新型コロナウイルスの感染流行を問題視し、多くの海運企業は輸送能力を絞り込んだ。しかしながら中国企業の海外輸出が急増したことで国際物流の需給ひっ迫が鮮明化。期日通りに受注品を納めるために、各社は高額な海上運賃を受け入れざるを得ない状況だ。