【中国】第3世代原子炉「華竜1号」、初の臨界状態に

【亜州ビジネス編集部】

中国が開発したと主張する第3世代原子炉「華竜1号(HPR1000)」が21日15時9分、 原子核分裂の連鎖反応が一定割合で持続する「臨界状態」に初めて達した。

出力100万kW級の華竜1号は、福清原発の5号機に採用されている。科技日報が22日付で伝えた。

福清原発5号機は2015年7日に基礎工事を着工。今年9月10日、燃料集合体177単位を原子炉内に装填した。臨界状態入りは初めてとなる。

このほか華竜1号は、投資額412億人民元(約6480億円)の「中広核広東省太平嶺原発第1期1号機・2号機」、投資額400億人民元超の「福建省ショウ州原発1期1号機・2号機」にも採用が決まっている。

PWR(加圧水型原子炉)の華竜1号は中国が唯一、自主知的財産権を擁するとされる第3世代原子炉。国策企業の中国核工業集団(CNNC)と中国広核集団(CGN)の技術などを融合した。すでにパキスタン・カラチ原発(2号機、3号機)への採用が決定。高速鉄道技術に続く「中国製造」の代名詞になりそうだ。

中国は原発設置を強力に推し進めている。19年末時点の総容量は4874万kWに拡大し、世界3位の「原発大国」に躍進した。建設中原発の総容量は、世界最多の1715万kWに上る。ただ、全電源容量に占める原発比率はわずか2.4%のみ。世界平均の5.4%を下回っている。


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