【タイ】9月の工業生産3%減に改善、電気・電子がプラス

【亜州ビジネス編集部】

工業省工業経済事務局(OIE)の28日発表によると、2020年9月の鉱工業生産指数(MPI、16年=100)は94.7となり、前年同月比で2.8%低下した。指数の低下は17カ月連続。

ただし、新型コロナウイルスの影響で大幅に落ち込んだ4〜5月以降は回復に向かっており、下げ幅は17カ月で最も小さかった。自動車は2桁マイナスが続いているものの、輸出増を背景に電気・電子分野の生産が伸びている。全体の設備稼働率は5カ月連続で前月比プラスだった。

指数の構成比が高い主要10品目では6品目がマイナスだった。主力の自動車(13.1%低下)は引き続き2桁の下落。ただ、下げ幅は2月以降で最小だった。食品(1.1%低下)は砂糖や冷凍エビ、タピオカ粉などの落ち込みで5カ月連続の低下となった。

一方、電気製品(20.2%上昇)は4カ月連続のプラス。冷蔵庫や洗濯機、台所用家電などが2桁上昇を記録した。

コンピューター・電子製品(2.2%上昇)は6カ月ぶりのプラス。集積回路(IC)やハードディスク駆動装置(HDD)などが伸びている。他にベースメタル(3.4%上昇)と飲料(4.1%上昇)も指数が上昇。ベースメタルでは熱延鋼(52.6%上昇)や鋼管(23.5%上昇)の伸びが目立った。

同時に発表された9月の製造業設備稼働率は、前月比で2.2ポイント上昇、前年同月比で0.6ポイント低下の63.1%。前年同月を割り込むのは17カ月連続となる。うち自動車は前月比で17.2ポイント上昇の76.8%と、過去12カ月で最高だった。前年同月比では4.4ポイント低下した。


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