【亜州ビジネス編集部】
新型コロナウイルスの流行で世界的に海外直接投資(FDI)が低迷する一方で、中国では幅広い分野の海外大手企業が投資を拡大している。対中投資拡大の背景にあるのは、中国経済の先行きに対する期待と、中国当局の市場環境改善への取り組みに対するもの。海外網が27日付で伝えた。
国連貿易開発会議(UNCTAD)の最新リポートによると、2020年に世界全体でFDI総額は前年比40%減となる見通しだ。21年も5〜10%の減少が見込まれる。
こうしたマイナストレンドにもかかわらず、中国では今年、食品世界大手のネスレや重電大手の仏シュナイダーエレクトリック、製薬大手の独ベーリンガーインゲルハイムなどが投資拡大を計画、または実施している。中国日本商会の調査によると、中国に拠点を置く日系企業の43.2%が「1〜2年以内に業務拡大を計画している」と回答したという。
中国国内の経営環境改善に関しては江蘇省など各地域当局が外資企業の進出支援策を発表。上海市は11月1日に施行する外資投資条例で外資企業の資金調達や用地確保などを支援する。国の商務部は「外資企業投資奨励産業リスト」の項目を増やす計画で、より多くの企業を優遇策の対象としたい考えだ。