【亜州ビジネス編集部】
第5世代(5G)通信の商用サービス開始から11月1日で満1年を迎えるが、4Gから5Gへのサービス乗り換えに消極的なユーザーは依然多い。28日付広州日報は、通信プランが高額で選択幅が小さいこと、ミドルエンド、またはローエンドの端末の少なさ、魅力ある応用サービスの欠如を要因として挙げた。
非5Gユーザーの44.8%は、5Gに乗り換えない最大の理由に「高額の通信費」を挙げている。
通信キャリア大手3社の5Gプランの最低月額料金は、中国移動(チャイナ・モバイル)が89人民元(約1380円)で最も安く、中国電信(チャイナ・テレコム)と中国聯通(チャイナ・ユニコム)は129人民元に設定した。5Gプランを利用すると1カ月当たりの携帯電話支出は少なくとも100〜130人民元かかる。アンケート調査によると、5Gユーザーの49.2%が通信プラン価格は高過ぎると感じているのが実態だ。
3Gから4Gへの乗り換えでは、騰訊HD(テンセント・ホールディングス)の対話アプリ「微信(ウィーチャット)」の「紅包(お年玉)」機能や、ショートビデオ、ライブ、スマートフォンゲーム、モバイルペイなどが貢献した。しかし、5G乗り換え意欲を高めるようなサービスは、現時点では存在しない。
専門家からは、需要の多い1000人民元以下の端末が少ないため、ローエンド・ミドルエンド機種の開発に力が注がれるべきとの指摘が出ている。
工業和信息化部(工業情報化部)によると、全国の5G基地局は現在69万カ所、接続ユーザー数は概算1億6000万人に達した。中国移動と中国電信の5Gプランユーザーは合算1億7800万人に上る。