【亜州ビジネス編集部】
太平洋セメントは10日、子会社タイヘイヨウセメントフィリピンズ(TCPI)の生産能力を増強すると発表した。
セブ島で操業する工場の生産ラインを約300億円を投じ更新。年産能力を300万トンに引き上げて、政府のインフラ事業などで堅調に拡大している国内需要を取り込む。
エネルギー効率が高い新たな生産ラインを導入し、2024年5月にも稼働させる。エネルギー由来の二酸化炭素(CO2)排出量を従来に比べ10%以上削減することが可能で、環境負荷の低減にもつながると見込む。
太平洋セメントによると、2015〜19年の5年間にフィリピンのセメント需要は推定で3割増え、年3200万トン規模に拡大した。20年は新型コロナウイルス流行の影響で一時的に市場が縮小するが、政府のインフラ投資で21年以降に再び増加に転じる見通し。同社は将来、年間販売500万トン、販売シェア10%以上を目指す。