【タイ】3QのGDPは6.4%減に改善、通期予測を上方修正

【亜州ビジネス編集部】

国家経済社会開発委員会(NESDC)が16日発表した2020年第3四半期の実質国内総生産(GDP)は、前年同期比で6.4%減少した。新型コロナウイルス流行の影響を受け、マイナス成長は3四半期連続。ただ、個人消費の持ち直しなどで前四半期のマイナス12.1%からは改善した。同委員会は20年通期の予測を前年比マイナス6.0%に上方修正した。

第3四半期の成長率を支出面から見ると、個人消費(マイナス0.6%)は下落幅が縮小。新型コロナ対策の活動制限が緩和されたことや、政府による国内観光促進策の実施などにより、食品など非耐久消費財の伸びが加速した。このほか民間投資(マイナス10.7%)では建設が3四半期ぶりのプラスに転じ、設備投資の下げ幅が縮小。また、政府支出(プラス3.4%)は伸びが加速した。一方、外国人観光客の入国禁止で、サービス輸出は厳しい落ち込みが続いている。

生産面から見ると、製造業(マイナス5.3%)は前四半期の2桁のマイナスから改善。国内消費や物品輸出の改善に伴い、幅広い業種で回復に向かった。一方、観光業の不振で運輸・倉庫(マイナス23.6%)や宿泊・食品サービス(マイナス39.6%)は大幅な低迷が続いている。

20年1〜9月のGDP成長率は前年同期比でマイナス6.7%。個人消費(マイナス1.7%)などが前年割れとなり、生産面から見ても製造業(マイナス7.4%)など多くの業種でマイナスだった。

■通年6%減予測

今回の結果を踏まえ、同委員会は20年通期の成長率予測をマイナス6.0%に引き上げた。8月の時点でマイナス7.8〜マイナス7.3%と予測していたが、各指標の予測を下記のように上方修正した。

◆物品の輸出額=マイナス7.5%
◆個人消費=マイナス0.9%
◆設備投資=マイナス3.2%

21年はプラス3.5〜4.5%と予測。消費、投資、輸出入がいずれもプラス転換すると見込んでいる。


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