【亜州ビジネス編集部】
フィリピン中央銀行は19日、金融政策決定会合の結果、政策金利である翌日物借入金利(REP)を0.25ポイント下げ、2.00%にすると発表した。利下げは3会合ぶり。
大半のアナリストが据え置きを見込む中、予想外の利下げとなった。
中銀は声明で、新型コロナの流行や再発で世界的に先行き不透明感が高まっており、企業や消費者の景況感は悪化していると現状を説明。国内では経済活動停滞や足元のペソ高、原油安によって景気回復に強い逆風が吹いているとみている。一方、2020年から22年にかけてインフレ率は目標レンジである2.0〜4.0%の下方に収まると予想。さらに弱まる可能性もあり、追加利下げの余地を残せるとみて政策金利を今回0.25ポイント引き下げた。
中銀は今年に入ってから5度の利下げで政策金利を2.00ポイント引き下げた。第3四半期の国内総生産(GDP)成長率はマイナス11.5%と、前四半期のマイナス16.9%より下げ幅が縮小しており、雇用も徐々に回復しているが、消費者は先行きに不安を抱えている状況。中銀は今後も状況を注視し、物価と金融システムの安定化を図るとしている。