【亜州ビジネス編集部】
低年式車の買い換えに対する支援策の導入について、スパタナポン副首相兼エネルギー相は、来月2日に開催される政府の経済状況管理センター(CESA)の会議で詳細を協議することを明らかにした。
国内生産の純電気自動車(EV)など電動車の購入のみを対象とする方向で検討中。ただ、業界団体のタイ工業連盟(FTI)自動車部会は、EVを対象から外すよう求めている。25日付クルンテープ・トゥラキットなどが伝えた。
CESAはプラユット首相を議長とする省庁横断の組織で、政府が9月に設立した。会議では工業省やエネルギー省などの関係機関が提案を持ち寄り、支援策の具体的な内容を協議する。
同副首相によると、大気汚染の軽減に向けて買い替え対象は純EVやプラグインハイブリッド車(PHV)など電動車に限定する方針。また、国内生産車を条件とすることで国内産業の育成を図る。使用年数が12年を超える自動車を買い替える購入者が、実質的に通常より最大10万バーツ安く買えるようにする計画。購入支援の具体的な方法は検討中で、所得税還付が有力な候補となっている。10万台に限定して実施する。
一方、EVを対象とすることに業界からは反対の声が出ている。FTI自動車部会のスラポン副部会長兼広報担当は、EVを除外して化石燃料車のみ対象にすべきと主張。現状でEVは輸入車が多く、国内では充電所の整備も進んでいないうえ、高価格で購入層が限られることを理由に挙げた。新型コロナウイルス流行で打撃を受けた中小部品メーカーなどに手厚い支援を講じるべきと訴えている。