【亜州ビジネス編集部】
国有企業の中国医薬集団(国薬集団:シノファーム)が国家薬品監督管理局に対し、新型コロナウイルスワクチンの上市を申請したことが分かった。国薬集団は傘下の中国生物技術を通じ、コロナワクチン2種の第3相試験(フェーズ3)を進めている。臨床試験は最終段階を迎えており、年内には1億剤の生産体制を整えられる見通しだ。2021年には10億剤以上の生産が可能になるという。複数メディアが26日までに伝えた。
中国のコロナワクチンで正式な上市申請が提出されたのはこれが初めて。国薬集団によると、中国生物技術のコロナワクチンは緊急使用プログラム(医療関係者や外交官など、感染リスクの高い人が対象)の一環として、すでに百万人近くが接種済みだ。現時点で深刻な副作用が確認された人はいないという。
これまでの報道によると、すでに臨床試験段階に入った中国のコロナワクチンは計13種。うち科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)、中国生物技術、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)の3社が開発するワクチン4種が第3相試験に入った。また、今月16日時点の報道によると、バイオ製薬会社の重慶智飛生物製品(300122/SZ)も近く、自主開発したコロナワクチンの第3相試験を開始する予定となっている。