【亜州ビジネス編集部】
香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は11日の記者会見で、早ければ来年1月にも新型コロナウイルス感染症ワクチンの第1陣が香港に到着するとの見通しを示した。第1陣では、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が開発したワクチンが供給される予定で、100万剤の到着を見込んでいる。複数メディアが伝えた。
林鄭長官によると、香港政府は3社からワクチン3種を調達する計画。前出のシノバックのほか、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンが含まれ、すでに各750万剤を調達することで合意した。香港政府はこのほか、英アストラゼネカとも750万剤の供給に向けて協議を進めており、近く合意に達する見通しという。これらワクチン3種の供給量は計2250万剤となる計算だ。
まずは医療従事者などを対象に、優先的に接種を行う。その後、一般市民向けに対象を広げ、2021年中には大部分の人が接種を終える見通しだ。林鄭長官によると、香港市民はワクチンの接種を受けるか受けないか自身で選択することが可能。ただ、接種を受ける場合、メーカーを選ぶことはできない。
なお、ファイザーとビオンテックが共同開発するワクチンについては、上海復星医薬集団(2196/HK)が中国・香港・マカオでの独占商業化権を持つ。また、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)は先週8日、シノバックへの出資を発表した。