【シンガポール】高速鉄道計画を中止、マレーシアと合意

【亜州ビジネス編集部】

シンガポールとマレーシアの両政府は2日、凍結していたシンガポールとクアラルンプールを結ぶ高速鉄道(HSR)の建設計画を中止することで合意した。

マレーシア側の財政難を理由に延期を繰り返し、実現可能な計画への練り直しに向けて協議を続けてきたが、話し合いの期限である昨年末までに合意に至らず、中止することで合意した。シンガポール側でこれまで発生した費用はマレーシア側が支払う。

シンガポールのリー・シェンロン首相とマレーシアのムヒディン首相が2日、オンライン会議で計画中止に合意した。今後はマレーシア側が支払う補償額の査定など必要な手続きを進める。

同計画はシンガポールとクアラルンプールの約350キロメートルを90分で結ぶ高速鉄道を建設するもので、2013年にマレーシアのナジブ元首相がシンガポール側と合意。当初は2026年の開通を目指していた。ただ18年に政権奪取したマハティール前首相が財政難などを理由に計画を2年凍結させると主張。その後も凍結期間を7カ月延長し、20年12月末までに計画を練り直した上で進める予定だった。

工費は170億米ドルとされ、日本や韓国、欧州などの企業が受注に関心を示していた。


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