【亜州ビジネス編集部】
英調査会社IHSマークイットが5日発表した東南アジア諸国連合(ASEAN)の2020年12月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は50.8だった。前月の50.0から上昇。
生産高や新規受注の回復により、景気拡大と悪化の分かれ目である50.0を10カ月ぶりに上回った。
生産高は2カ月連続で50超を維持。新規受注は18年8月以来の高水準だった。ただ、新規受注のうち輸出向けが悪化しているほか、サプライチェーンの混乱で購買活動や在庫の指数も低迷した。
国別では7カ国中のうちフィリピン(49.2)を除く6カ国で指数が改善。前月と同じ4カ国で50を上回り、特に電子製品や医薬品の輸出が好調なシンガポール(55.0)は過去7年で最高を記録した。
マークイットは今回の結果について、各国間で差が開いており、50を下回った3カ国では明確な改善の兆しが見られないと指摘。ただ、全体的には回復に向かって進んでおり、今後も需要拡大が続けば、ASEANの製造業は再び勢いを取り戻すとの見方を示した。