【中国】「ウルトラマン」人気沸騰、2020年に検索2億回超え

【亜州ビジネス編集部】

日本の特撮ドラマシリーズ「ウルトラマン」の人気が中国で盛り返している。

電子商取引(Eコマース)大手の淘宝網(タオバオ)では、2020年検索ホットキーワードのトップ10入りし、2億回を超える膨大な検索回数を叩き出した。ファン層は「80後」(1980年代生まれ)世代が多いが、近年では若い若年世代にも人気が広がっている。銭江晩報が6日付で伝えた。

同シリーズは1966年に誕生。今年で55周年を迎える。中国の総代理権を持つ上海新創華文化発展(SCLA)は2004年に「ウルトラマンティガ」代理店となったことを皮切りに、中国の知的財産(IP)管理事業を手がけている。20年6月には最新作「ウルトラマンゼット」の中国展開も始まった。特に人気が高いヒーローは、足元で「ティガ」と「ウルトラマンゼロ」という。

SCLAの担当者によると、シリーズ人気の秘けつは「毎年新作があること。年ごとにシリーズ商品のSKUが約160種類も増える」という。さらに「その世代ごとに青春の記憶がある作品」とし、近年では旧来ファンと若いファンの交流もある。インターネット通販の天猫(Tモール)が調べた「若者世代に人気の二次元IP」でも、「ワンピース」や「NARUTO -ナルト-」などと共にランク入りした。

タオバオでは2020年のウルトラマン検索回数が延べ2億7000万回を記録し、18年の1億7000万回より6割も拡大。なかでも「変身アイテム」の注目度が高く、7500万回以上も検索された。

また、ウルトラマンシリーズのカードゲーム販売額は10億人民元(約160億7000万円)を突破。毎月1万件以上の販売数量を達成している。タオバオのウルトラマン関連商品種類数は580SKUを超えた。微博(Weibo)上で使用できる「ゼロ」のスタンプは20年10月の登場以来、2億7000万件もダウンロードされている。

業界関係者によると、旧来IPが再加熱する背景には、「Z世代」(1995 2012年生まれ)の消費力の勃興があるという。


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