【亜州ビジネス編集部】
中国の新車販売市場で、ディーラー在庫の指標が高止まりしている。
2020年12月の「自動車ディーラー総合在庫係数」は1.80(販売1.80カ月分相当)。前月(1.72)、前年同月(1.33)と比較し、そろって上昇(=悪化)した。警戒水準の1.50を超えて推移している。中国汽車業界流通協会が11日に報告した。
一部のカーディーラーが年間目標を繰り上げ達成するなか、メーカー側からの新車割り当てが増加したとみられている。メーカーの販売数引き上げ要請を受け、合資ブランド、中国自主ブランドで在庫増が目立った。
在庫係数は、高級車・輸入ブランドが1.39(前月比↓12.0%)に改善したものの、合資ブランドは1.91(↑14.4%)、自主ブランドは2.08(↑11.2%)に悪化している。
一方、21年1月の販売動向を楽観。各地で販売促進イベントが開催されるなか、昨年12月のように売れ行きが伸びるとの見方を示している。
在庫係数は、期末在庫量と当期販売量の倍率を表したもの。数値が大きければ大きいほど、ディーラーの在庫圧力が強まっていることを映す。国際的な指標に基づけば、在庫係数が0.8〜1.2の水準にあれば適正。1.5を上回ると警戒ゾーンに入る。さらに2.5を超えると、ディーラーの経営リスクが非常に高まっている状態にあるとされる。