【亜州ビジネス編集部】
中国でレアアースの価格が再び動意付いている。
酸化プラセオジムの価格は今週19日に1トン当たり45万1000人民元(約720万円)に達し、年初来で約11%上昇した。
業界関係者によると、需給バランスの変化が値上がりの一因。また、中国政府が先ごろ、レアアース産業の管理に関する規定案を発表したことも、同産業の健全な発展につながると期待されている状況だ。複数メディアが伝えた。
報道によると、酸化プラセオジム価格は昨年11月に累計30%上昇。翌月に中国で実施される輸出管理法にレアアースが含まれる可能性があるとの見方から、その影響を警戒した駆け込み需要が膨らんだ。12月は値上がりが一服し、累計で2%下落。21年に入ると、再び値上がりに転じている。
工業情報化部は今月15日、合計29条で構成される「希土管理条例」の草案を発表。正式実施に向けてパブリックコメント(意見募集)を開始した。同条例によると、レアアースの採掘と精錬分離を分けて、それぞれに総量管理を行う方針。また、違法生産や生態環境破壊などを排除するために、管理を総合的に厳格化する考えが盛り込まれた。
同条例について、業界関係者は「レアアース産業の健全な発展を促し、国際的な価格決定権の強化にもつながる」と説明。違法採掘などに対する罰則が明記されたことも、今後のレアアース産業の発展にとってプラスに作用するとみている。