【亜州ビジネス編集部】
タイ国トヨタ自動車(TMT)の25日発表によると、2020年の国内新車販売台数は前年比21.4%減の79万2146台だった。新型コロナウイルス流行の影響で2年連続の前年割れとなった。
ただ、1トンピックアップトラックを中心に年末にかけて改善。12月単月では前年同月比11.3%増の10万4089台と、1年9カ月ぶりに10万台を突破した。
同社は21年の販売が85万〜90万台に拡大すると予測した。
同社は20年の新車市場を年初時点で6.7%減の94万台と予測したが、新型コロナ禍の販売低迷を受け、7月には66万台に下方修正していた。ただ、新型コロナ流行の沈静化や各社の新製品投入などにより、その後は下方修正後の予測を上回るペースで回復。9月には1トンピックの販売が前年同月比でプラスに転じ、11〜12月には全体の販売台数が2カ月連続でプラスとなった。
20年は大半のメーカーが2桁のマイナスを記録。首位トヨタと3位ホンダは、共に約26%の減少だった。一方、1トンピックが中心の2位いすゞは7.7%増となり、市場シェアを拡大。また、低価格の小型車が好調なスズキと、1トンピックの販売が本格化した中国・上海汽車集団傘下のMGもプラスだった。
20年の車種別販売は、1トンピックが16.8%減の40万9463台、乗用車が31.0%減の27万4789台。1トンピックではいすゞが10.0%増となり、トヨタを抜いて首位に躍進。乗用車はホンダがシェア28.2%で、トヨタを上回り首位となった。
21年は商用車・乗用車ともプラス成長予測
トヨタは21年の新車販売を7.3〜13.6%増の85万〜90万台と予測。自動車産業にとって引き続き困難な年になるものの、ワクチンの普及や政府による経済対策の導入、各社の販売活動強化などがプラス要因になると指摘した。販売の内訳は商用車が56万〜58万2000台、乗用車が29万〜31万8000台とみている。
トヨタの21年の販売台数は、14.6〜22.8%増の28万〜30万台に拡大する見通し。同社の完成車輸出台数は、20年の21万5277台(18.7%減)から21年は18%増えると見込む。