【亜州ビジネス編集部】
2月12日の春節(旧正月)を前に、中国本土では1月28日から特別輸送態勢「春運」が始まった。
今年は新型コロナウイルスの再流行阻止のため、政府が帰省自粛を呼び掛けるとともに、隔離などの厳しい対策を実施している。このため、春運初日の旅客数は延べ1991万人と、昨年の3割以下となった。複数メディアが1月28日伝えた。
航空各社の運航便数は28日に8850便と、昨年の春運初日に比べて46.7%減と半減。旅客数も54万人で、同71.2%の減少となった。鉄道の利用客や高速道路の通行量も、前年同期比で大きく減少している。
交通運輸部が1月28日発表した予測値によると、春運40日間の旅客数は延べ11億3000万人、1日当たり平均延べ2880万人となる見込み。2019年に比べ6割以上、20年に比べて2割以上それぞれ減少する見通しだ。
中国では新型コロナウイルスの新規感染者が連日100人以上、確認されている。諸外国に比べて少ないものの、多数の都市が封鎖され、住民の一斉PCR検査が実施されている状況だ。
中央政府は帰省者に対し、7日以内に発行されたPCR検査陰性証明の携行と、規制後14日間の自宅待機、その間の毎日の検温を義務付けた。また、上海市や安徽省合肥市などは、外地出身の労働者に帰省自粛を要請。補助金や金券の配布などを始めた。江蘇省蘇州市は、帰省を断念した外地出身者に対し、戸籍取得に必要なポイントの加算を行っている。