【亜州ビジネス編集部】
中国が「ワクチン外交」を加速させている。外交部の汪文斌・報道官は1日の記者会見で、国産の新型コロナウイルス感染症ワクチンについて、すでに14カ国向けに供給することが決まったと報告した。
今後さらに38の発展途上国にワクチンを援助する予定で、提供国は52カ国に上る見通し。これは世界の主権国家数の約4分の1に相当する規模だと汪報道官は強調している。
汪報道官によると、中国がパキスタンに寄贈する新型コロナワクチン第1弾がこの日、首都イスラマバードに到着した。
パキスタンのほか、ブルネイ、ネパール、フィリピン、ミャンマー、カンボジア、ラオス、スリランカ、モンゴル、パレスチナ、ベラルーシ、シエラレオネ、ジンバブエ、赤道ギニアの計14カ国に対し、中国はワクチン供給を行う。
今後さらに38の発展途上国にワクチン支援を行う予定だ。
また中国は、世界保健機関(WHO)の世界的なコロナワクチン調達・分配枠組み「COVAX」にも積極的に参加していく。同枠組みを通じ、発展途上国向けのワクチン提供に力を入れる方針という。
コロナワクチンの開発において、中国は世界への影響力を強めたい考え。習近平・国家主席は2020年5月のWHO年次総会で、中国でコロナワクチンが開発・実用化された場合、「世界の公共財」になるよう貢献すると述べた。国家主導でワクチン開発を急いでいるほか、各国とワクチン開発・供給に関する協力関係を構築している。