【亜州ビジネス編集部】
建機大手のコマツは8日、中国国内にある同社製建設機械の平均稼働時間が2021年1月に110.5時間だったと発表した。
前年同月比で87.0%増加している。4カ月連続でプラス成長を維持し、増加率は前月の3.1%から大幅に加速した。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、前年同月に稼働時間が大きく落ち込んでいた反動が出た。比較対象となる前年同期の水準が低かったためとする見方もある。20年の春節(旧正月)連休は、1月24〜30日にかけた7日間にわたった。新型コロナウイルスの流行に警戒感が強まるなか、武漢市では感染対策のロックダウン(都市封鎖)が導入されている。1月23日から4月8日まで76日間も封鎖された。
顧客の建機稼働動向を遠隔監視できるコマツのITシステム「コムトラックス」によると、中国での平均稼働時間は20年1月に前年同月比42.9%減の59.1時間と大きく縮小。各地で都市封鎖や移動制限が実施された2月には、同32.0%減の30.6時間まで落ち込んだ。
ただ、コロナ流行が落ち着き、各地でインフラ工事が再開される中、4月以降は総じて増加基調。うち5月は前年同月比3.2%増の147.2時間に達し、1年7カ月ぶりの高水準を記録している。
中国以外のエリアでは増減まちまち。1月の平均稼働時間は、日本が14.5%増の59.8時間、インドネシアが2.9%増の183.0時間に拡大する半面、北米が5.3%減の62.6時間、欧州が8.5%減の62.1時間となった。