【亜州ビジネス編集部】
中国が世界最大のeスポーツ市場に急成長している。市場規模は1000億人民元を超過。中国人の3人に1人がeスポーツゲームユーザーとなっている。経済参考報が伝えた。
中国音像数字出版協会・遊戯出版工作委員会(GPC)などがまとめた「2020年中国ゲーム産業報告」によると、中国eスポーツ市場の売上高は、2020年に前年比44.2%増の1365億5700万人民元(約2兆2175億円)に拡大した。
中国のeスポーツゲームユーザー数は4億8800万人に達し、前年比で9.7%増加している。21年のeスポーツ市場規模について、マーケティング調査会社の艾瑞咨詢(アイリサーチ)はクライアント、モバイルゲーミング、eスポーツエコロジー市場を含め、1651億4000万人民元に膨らむと予測している。
世界最大のeスポーツ市場となった中国には、関連グローバル企業が相次いで進出。20年9月にゲーム事業への参入を発表したスウェーデン発の家具・生活雑貨量販店「IKEA」は、台湾系PCメーカー、華碩電脳傘下の「玩家国度(ROG,Republic of Games)」と提携。上海市に設立した研究開発センターを拠点にゲーマー向け家具やアクセサリーの新ブランドを立ち上げた。上海市で先ごろ、ワールドプレミアを開催し、ゲーマー向け家具やアクセサリーを含む30商品を紹介。すでに中国市場で販売を開始し、今後は世界市場でも展開していく予定だ。
独光学大手のカール・ツァイスも巨大な中国のeスポーツ潜在市場に熱い視線を注いでいる。同社はこのほど、中国のeスポーツクラブ「iG電子競技倶楽部(Invictus Gaming)」と業務提携すると発表した。イノベーション、製品設計などの分野で協力関係を構築。同社の技術的優位性を生かして、eスポーツのプロ選手やゲーマーにビジュアル製品のソリューションを提供する方針だ。
eスポーツ協会の徐波・常務副秘書長は、「eスポーツと伝統産業の融合は避けて通れない流れになっている」と指摘。「世界のeスポーツ分野で最も重要な中国市場は、関連産業に巨大なビジネスチャンスをもたらす」と述べた。