【亜州ビジネス編集部】
シンガポール大手地場銀行の12月通期決算が出そろった。新型コロナウイルスによる経済活動の制限を受け、いずれも減益だった。
最大手の政府系DBSグループの純利益は前期比26%減の47億2000万シンガポールドル(約3773億円)、収入は横ばいの146億シンガポールドルだった。
貸倒引当金を30億7000万シンガポールドルと3倍に増やしたのが特に影響した。引当金を除外すると純利益は84億3000万シンガポールドルと過去最高になる。
大華銀行(UOB)の純利益は33%減の29億シンガポールドルで、金利低下による金利収入の減少と引当金の増額が響いた。
OCBCの純利益は26%減の35億9000万シンガポールドルで、これも金利収入減、引当金増が影響した。
DBSの貸付残高のうち1%強が、政府措置で講じられた返済猶予対象の融資で、3行のうち最も比率が低い。返済猶予対象の住宅ローン残高は50億シンガポールドルで、猶予延長の申請があったのは10%。中小企業では顧客の25%が返済猶予の対象だ。
OCBCでは1月末の時点で貸付残高の2%(昨年末は4%)が返済猶予対象のローンで、UOBでは貸付残高の6%(同9%)が猶予対象と、信用リスクは減少傾向にある。
直近の第4四半期決算では、純利益はDBSが前年同期比33%減の10億シンガポールドル、OCBCが9%減の11億シンガポールドル余り、UOBが32%減の6億8800万シンガポールドルだった。
(提供:AsiaX
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