【亜州ビジネス編集部】
タイ中央銀行は24日、定例の金融政策決定会合の結果、政策金利(翌日物レポ金利)を0.5%に維持すると発表した。
過去最低の金利水準を7会合連続で据え置いた。
国内経済が回復基調にあるものの、新型コロナウイルス再流行によるダウンサイドリスクは拭えず、金利を据え置くことで景気を刺激しつつ、利下げ余地を残すことが必要と判断した。
中銀は2021年の国内総生産(GDP)成長率を3.0%、22年を4.7%と予想。20年12月には21年予想を3.2%、22年予想を4.8%と発表しており、それぞれ下方修正した。
新型コロナの再流行で経済の回復が鈍り、また外国人観光客の戻りが遅くなることを考慮した。
21年のGDP成長率を支出面でみると、すべての構成要素がプラスになると予想。公共投資が11.6%で、前年の5.7%からさらに拡大するとみている。
個人消費は3.0%、民間投資は6.0%で前年のマイナスからプラスに転じると予想。
輸出は前年のマイナス19.4%から21年は5.2%へ大きく回復するとみており、背景には新型コロナワクチンの接種開始による各国の景気回復があるとしている。
金融市場については、資金供給が十分あり、金利は低水準にあるものの、新型コロナ再流行で特に打撃を受けた中小企業や個人が融資を受けづらい状況にあると説明。こうしたグループに資金が行き渡るようさらなる対策を練るとしている。
中銀は20年の年初から3度の利下げによって政策金利を0.75%引き下げ、過去最低水準とした。今後も金融緩和姿勢を維持し、財政拡大により景気刺激を図る政府と歩調を合わせるとしている。