【亜州ビジネス編集部】
「国貨」と呼ばれる中国製品の人気が若者の間で高まっている。
自国製品ブーム“国潮”の一環で、化粧品もその恩恵を受けている。特に「90後」(1990年代生まれ)世代では、海外製品よりも国産品を選ぶ傾向があるようだ。
国産ブランドも生産のスマート化などに注力し、新たな局面を迎えている。中国経済網がこのほど伝えた。
Z世代(1995〜2009年生まれ)が消費の中心に躍進するなか、これら年齢層は国産化粧品に親近感を持つようになっている。市場調査QuestMobileの調べでは、中国化粧品ユーザーの76%は女性で、うち25歳以下が半数を占めていた。
国家薬品監督管理局の統計では、化粧品やその検査機関の登録は270社あり、過去1年で80社以上も増加した。化粧品業界にも「国貨」の波が到来していると言える。「85〜95後」(1985〜95年生まれ)世代が新たな消費者の主役に浮上。海外の大手ブランド一辺倒ではなく、国産化粧品を選択する傾向が表れている。特に90後世代ではこの傾向が大きく、口紅やパウダーなどの消費額には多大な貢献が見られた。
SNSなどを中心に人気を集める化粧品ブランド「伝奇今生(Legendage)」は、2014年からインターネット上で口紅商品を販売。市場認知度が高まってからも事業の急拡大はせず、研究開発に注力して品質向上に努めてきたブランドだ。OEM工場を持たず、広東省広州市に自社生産子会社工場「広州富粧生物科技有限公司」を設立。海外からスマート化、自動化、無菌化生産ラインを導入することに踏み切った。保湿マスクや乳液などの新商品も投入し、口コミによる市場拡大が足元で続いている。