【亜州ビジネス編集部】
インドネシア中央統計局が15日発表した2021年3月の貿易統計によると、輸出額は前年同月比30.5%増の183億5460万米ドルだった。
プラス成長は5カ月連続で、金額は11年8月以来の高水準。パーム油などコモディティーの価格上昇が全体を押し上げた。
一方、輸入額も25.7%増の167億8720万米ドルと急伸し、前月を上回る伸びを記録。貿易収支は15億6740万米ドルの黒字だった。
輸出額は、全体の9割超を占める非石油・ガスが30.1%増、残りの石油・ガスが38.7%増と、そろって拡大した。
非石油・ガスでは、最大のパーム油など天然油脂が8割増えたほか、鉄鋼が7割増加。共に足元の価格上昇が追い風となっている。
また、鉱石・スラグ・灰の輸出額は2.6倍に拡大した。前月との比較でも2.3倍に増えており、非鉄価格の上昇に加えて政府による一部鉱石の輸出制限緩和がプラスに影響したとみられる。
1〜3月の累計は、輸出額が前年同期比17.1%増の489億440万米ドル、輸入額が10.8%増の433億8210万米ドル、貿易収支が55億2230万米ドルの黒字だった。非石油・ガスの輸出額では、上位10品目すべてが前年同期を上回り、うち鉱石・スラグ・灰は2.7倍に拡大。また、鉄鋼が6割増、天然油脂が5割増と伸びが大きかった。
非石油・ガスの国別輸出額は、全体の2割を占め最大の中国向けが63.0%増だったほか、米国向けが15.9%増、日本向けが11.9%増など主要国の多くで2桁のプラス。
一方、非石油・ガスの国別輸入額は、全体の3割を占め最大の中国からが35.1%増だったものの、2番目に大きい日本からは12.9%減だった。