【亜州ビジネス編集部】
インドネシア中央銀行は20日、定例の金融政策決定会合の結果、政策金利(7日物リバースレポ金利)を3.50%に維持すると発表した。
据え置きは2会合連続。景気を刺激しつつ為替安定を図るため、金利据え置きを決めた。
一方、2021年の国内総生産(GDP)成長率は下方修正。新型コロナウイルス再流行に伴う移動制限やルピア安が経済に重くのしかかるとみている。
金利据え置きはアナリスト予想通り。
景気を刺激する必要がある一方、ルピアが年初から対米ドルで3.5%値を下げる中、金利据え置きが適切とみられていた。
なおブルームバーグによれば、4月半ば時点で海外の機関投資家はインドネシア国債12億ドル相当を売り越しており、これがルピア安に拍車をかけた。
中銀は今回、21年のGDP成長率予想を従来の4.3〜5.3%から4.1〜5.1%に下方修正。
ペリー・ワルジヨ総裁は会見で、新型コロナワクチンの接種が進む一方で、引き続き移動制限が敷かれており、消費の回復が想定よりも遅いと話した。また金利が低下しているにもかかわらず、銀行の融資が伸びていないと指摘した。3月末の融資残高は1年前に比べて4.13%縮小しており、6カ月連続で低下している。
インドネシア経済は20年、22年ぶりにリセッション(景気後退)入りした。中銀は同年、5度の利下げで政策金利を計1.25%引き下げ、さらに21年2月に0.25%引き下げて過去最低の金利水準としている。